需要が立ち上がるミニLEDバックライト~65インチFPDコスト比較

Published September 4, 2020
第31回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

次世代TV用パネル技術として、ミニLEDバックライトが本格的に登場し始めた。先ごろ開催されたSIDでも、BOEが75インチ8Kの5000ブロック分割、27インチ4Kで1000ブロック分割など、ローカルディミング技術を組み合わせたLCDパネルを展示しており、FPD各社がラインアップを拡充しつつある。

注目は、「6シリーズ」として240ブロック分割の4K QLED TVを発売したTCLだ。55インチが700ドル、65インチが900ドル、75インチが14000ドルという低価格仕様で、「ミニLEDバックライトは高価」というイメージを一変させた。パッシブマトリクスのプリント配線板にミニLEDを搭載し、ブロック分割数を240と少なくして低価格を実現した。

グラフに65インチFPDのコストを示した。ミニLEDバックライトの量子ドット (QD) LCDは、現状で8K LCDより割高だが、OLED (WOLED) よりも4割以上安い。TCLが低価格帯から採用したことで、今後は他の中国TVメーカーもこれに追随する可能性が高く、高精細な8K TVよりもむしろ、ミニLEDバックライトを搭載した4K TVの市場投入が増えそうな気配だ。

ミニLEDバックライトLCD TVの流行は、量子ドット材料の需要増も後押しするだろう。ちなみに、サムスンはプリント配線板ではなく、ガラス基板にミニLEDを搭載したハイエンド型のLCD TVを商品化するといわれている。

ミニLEDバックライトでLCD TVの輝度やコントラストが向上すれば、OLED TVの最大の強敵になるかもしれない。

----以上は紙面掲載分、以下は田村追記となります----

サムスンは、2021年モデルにおいて、上位3つのハイエンドシリーズでミニLED LCD TVを製品化、それぞれ複数の大型サイズで総計300万台の販売を検討している、との情報が入ってきた。この場合、様々なグレードのミニLEDモデルが存在することになるであろう。サムスンがこれだけのミニLED LCD TVを投入することにより、他の多くのブランドも追随してくる流れになりそうだ。

OLED TVとミニLED LCD TVを比較すると、「超薄型・自発光のOLED TV」と「高輝度・厚めのミニLED LCD TV」がそれぞれの特徴となる。ミニLED LCD TVが加わることで、2021年モデルのTV各社ラインナップの充実が期待できそうだ。

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Written by

Yoshio Tamura

tamura@displaysupplychain.com