特別企画 OLED製造技術/ロードマップ調査レポートから

Published October 21, 2021
第44回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

DSCCはこのほど、有機ELの製造技術に焦点を当てた全338頁に及ぶ特別調査レポート The Future of OLED Manufacturing Report 2021 (一部実データ付きサンプルをお送りします) をリリースした。6G FMM VTEベースのRGB有機ELの8.5Gへのスケールアップや、LTPSからLTPOやOxideへの移行など、有機ELメーカーがIT用ディスプレイの事業機会にどう対処していくかに焦点を当てている。

第1章 有機ELの商業化/産業化の歴史
第2章 歴史的および現在の技術的課題
第3章 モバイル用有機ELの製造/ロードマップ
第4章 IT用有機ELの製造/ロードマップ
第5章 テレビ用有機ELの製造/ロードマップ

の5つのセクションに分かれており、その中からいくつかトピックスをご紹介する。

蒸着工程のガラスサイズが6Gハーフから8.5Gハーフに移行すると、基板面積は約2倍になる。FMMが8.5Gに対応できるのか、縦型蒸着の実用化やLTPOのイオン注入工程の8.5G対応などが焦点となるが、生産能力がほぼ同じ1.5万枚のリジッド8.5Gラインと、3万枚のフレキシブル6Gラインを比較した場合、製造装置への支出は53%少なくて済むと当社では試算している。

これに伴い、15.6インチのQHD+パネルを製造した場合の減価償却費は32%減少する。歩留まりや稼働率が同じと想定した場合、8.5Gで製造するとコストは10~12%下がると想定している。

8.5Gへの移行には、Appleの製品戦略も大きく関わりそうだ。Appleは2022~23年にiPadに有機ELを搭載する予定だと巷間報じられているが、当社では2023年まではミニLEDバックライトを搭載した液晶パネルに注力し、有機ELの搭載は2024年からになると想定している。

iPad用有機ELは、ガラス基板ベースでLTPOバックプレーンを用い、2層化したタンデムの発光層をTFEで封止する構造になるもようだ。工程が長くなるため一般的なリジッド有機ELよりも25%程度割高になると予想されるが、LTPOの採用で輝度が高まり、軽くて薄いというメリットがある。ミニLEDモデルとのすみ分けや競争が今後どうなっていくのか興味深い。

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今後はLTPOの採用比率が大きく高まっていく。LTPSはこれまで6G基板までの生産が可能であったが、このように8.5Gの大型基板にも対応していく方向である。LTPOはスマートウオッチから採用が始まり、スマートフォンにも採用が始まったが、今後も生産面積は右肩上がりで増え続け、2020年に約60万㎡だったキャパシティーは、2025年に1000万㎡を超える水準に到達すると想定している。

(本稿は、10月上旬「電子デバイス産業新聞」のDSCC連載記事を基に、10月21日に田村が再確認・一部改訂したものです)

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本記事の出典調査レポート
The Future of OLED Manufacturing Report 2021

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Written by

Yoshio Tamura

tamura@displaysupplychain.com