田村喜男の直前解説!第二弾「世界TV市場」

Published August 19, 2020
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田村喜男の直前解説!第二弾「世界TV市場」

本稿では、講演資料の第一章『FPD需要動向』において解説するFPD TVセット市場につき事前紹介したい。※講演時には2020年四半期別の傾向もチャートで示し、より詳細に解説します。

2020年の世界TV出荷台数は、前年比-5%、四半期別ではQ1からQ4までそれぞれ前年比-10%、-5%、-2%、-4%を見込む。地域別では、北米、西欧が想定を上回る好調さであるのに対して、中南米、中近東・アフリカ、インドなど新興国が不振となっている。アジアパシフィックに含まれる日本は、年間で+5%を見込む。中国市場はQ2’20からQ4’20の3四半期総計はプラス成長を見込むが、Q1’20のロックダウンによる前年比-29%が影響し、年間ではマイナス成長となる。2020年のTV市場は、COVID-19インパクトにより前回予測では前年比-10%を見込んでいたが、米国、西欧、日本市場では“巣ごもり特需”と政府からの給付金により、想定以上の好調な需要を示してきた。2020年の地域別の前年比成長率は、北米±0%と西欧-4%が想定以上、その他中国-6%、東欧±0%、アジアパシフィック (日本含む) -5%、中南米-14%、中近東・アフリカ-8%と、新興国でのCOVID-19による経済的ダメージの大きさがうかがえる。

Q2’20の世界前年比成長率は-5%と、想定をはるかに上回る見込みとなった。北米 (米国メイン) が前年比+20%、日本が+15%と大きな成長を示す。中国は-2%、西欧は-5%にとどまる。一方、中南米は-31%、中近東・アフリカは-23%と、COVID-19のダメージが大きい。月別では、6月に世界で前年比+10数%の成長率に達し、米国は4月から、中国は5月から、西欧は6月からプラス成長に転じた模様である。絶好調であった先進国での巣ごもり需要は、Q3’20からピークアウトしていくと想定している。

2021年は、世界で前年比+4%を見込む。アジアパシフィックはインドの回復により+10%、中国+5%、そして2020年で落ち込む中南米も+6%と、ほぼ世界全域でプラス成長を見込んでいる。(COVID-19前の) 2019年対2021年としては、世界市場で-1%となる。言い換えると、2021年の世界TV市場は2019年並みに回復することになり、地域別では異なるものの、世界GDPの回復傾向と類似の傾向を示すことになった。

下図出典) DSCC / DISCIEN

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Written by

Yoshio Tamura

tamura@displaysupplychain.com