IT用途のOLED需要予測

Published March 5, 2021
第38回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

2021年は、ノートPCやタブレット、モニターにOLEDの採用が拡大する"元年"になりそうだ。当社の予測によると、前記三製品へのOLEDパネル需要は前年比6割以上の伸びを見せ、800万台を超える見通し。2025年には2200万台に達すると想定しているが、モニターへの採用が広がれば、これを上回る可能性もある。

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Samsung Display (SDC) は、2021年にノートPC用OLEDの出荷目標として前年比4倍以上となる500万台を掲げている。13~16インチを中心にリジッド型のラインアップを拡充する。この背景にはリジッドOLEDの「脱スマホ」戦略がある。これまで主用途だったスマホ用は単価の下落も進み、今後も高収益が見込めない。生産ライン「A2」の稼働率を高めるためにもIT用への展開による大型化が不可欠で、すでにノートPC用でも製造歩留まり80%以上が達成できているようだ。

SDCは次のステップとして、薄くて軽いという特徴を生かし、フレキシブル&フォルダブルOLEDの大型化でノートPC用の需要拡大を狙うだろう。ただし、17インチクラスを狙うのであれば、タッチ技術であるY-OCTAの大型化という技術課題を解決する必要がある。すでに露光装置メーカーがさらなる高精細化に対応した新型露光機を発表しており、今後の技術開発に期待したい。

タブレットは、これまでSamsungがGalaxyシリーズにリジッドOLEDを採用してきたが、最近ではLenovoがEverDisplay Optronics (EDO) 製のリジッドOLEDとLG Display (LGD) 製のフォルダブルOLEDを搭載した端末をリリースするなど他社も参入してきた。今後の注目はAppleのiPad。2021年はMiniLEDバックライトを搭載した12.9インチLCDモデルを発売予定とみられるが、早ければ2022年にOLED搭載モデルを発売する可能性がある。これはリジッドOLEDだとみられるが、実現すれば2023年にはフレキシブルOLEDの搭載へ進むかもしれない。

モニターにも参入が相次ぎそうだ。インクジェット技術で量産するJOLEDは既存の21.6インチから27インチ、32インチへと大型化を進め、ニッチハイエンド用途の拡大を狙っている。一方で、LGDもWOLEDで42インチと31インチを商品化し、TVだけでなくモニターとしても商品化する考えだ。

同様に、SDCが量産準備中のQD-OLEDもTVに限らず、2022年に34インチモニターとして商品化される可能性がある。応答速度が速く動画表示に優れるOLEDはゲーミング用途に適しており、ラインアップの拡充がモニター用OLEDの需要を強く押し上げていくかもしれない。

(本稿は、3月4日付「電子デバイス産業新聞」のDSCC連載記事を基にしています)

本記事の出典調査レポート
Quarterly OLED Shipment Report

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Written by

Yoshio Tamura

tamura@displaysupplychain.com