大型液晶パネル業界の再編

Published April 9, 2020

電子デバイス産業新聞 4月9日掲載

- DSCC田村のFPD直球解説 第26回より


サムスンディスプレー(SDC)が大型液晶パネルの生産から撤退すると発表した。韓国7Gと8・5G工場を年内に閉鎖し、中国蘇州8・5G工場は中国メーカーに売却する見通しであり、今後は次世代のQDディスプレーに経営資源を集中する。

当社では、1月時点で2021年の大型液晶の基板投入能力は19年比5%増の2億4500万㎡になると予測していたが、SDCの工場閉鎖で韓国の生産能力7%がなくなるため、21年の投入能力は同2%減の2億2900万㎡にとどまると想定している。 大型液晶の再編はSDCにとどまらず、中国でも起きる可能性が高い。なかでも、CECパンダは事業売却を交渉中といわれ、CHOTにも売却の可能性が浮上している。

仮に、▽SDCが蘇州工場を出資先でもあるCSOTに売却し、CHOTもCSOT傘下に、CECパンダがBOE傘下になった場合を「ケース1」、▽SDCが蘇州工場をBOEに売却し、CHOTもBOE傘下に、CECパンダがCSOT傘下になった場合を「ケース2」として、21年の生産能力をグラフに示した。ちなみに、BOEと韓国LGディスプレー(LGD)はIPS陣営だが、SDC、CSOT、CECパンダ、CHOTはVA陣営である。

SDCの撤退で最も恩恵を受けそうなのが、堺ディスプレイプロダクトとSIO広州工場を擁するシャープ&鴻海グループだ。サムスンのテレビ向けに20年7~9月期から量産供給を開始し、年内だけで300万枚を供給する計画ではと漏れ伝わっている。

(DSCCアジア代表 田村喜男)

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Written by

Yoshio Tamura

tamura@displaysupplychain.com