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FOR IMMEDIATE RELEASE: 11/06/2025


中国メーカーのOLED戦略~11/19セミナーのポイント解説
FPD技術/設備投資/製造装置担当アソシエイトディレクター Jayden Lee

Counterpoint Research Korea (ソウル) -

セミナー開催記念 来日アナリストインタビュー (電子デバイス産業新聞)


カウンターポイントリサーチは、11月19日 (水) に東京コンファレンスセンター・品川5階大ホールにて「FPD産業分析セミナー 2025年後期版」を開催する。毎回人気のセッション「FPD先端技術及び投資動向」に登壇するFPD技術/設備投資/製造装置担当アソシエイトディレクターのJayden Lee氏に、講演のポイントについていくつか伺った。

―中国の有機EL (OLED) 第8.7世代 (G8.7) 工場の動向に注目しています。


Lee:メインプレイヤーとなるBOE、CSOT、ビジョノックスの3社は、それぞれ異なる方式で製造すると発表しており、今後はこの3社がOLEDで戦っていくことになる。G8.7工場は初めて手掛ける規模であるため、スタート時点では各社に製品や技術的な差はないだろう。

しかし、IT系パネル向けの製造だけでは工場のキャパが埋まらないため、スマートフォン (スマホ) 向けを手がける必要があり、CSOTのT8工場やビジョノックスのV5工場には、フレキシブルOLD用の装置も納入される予定だ。

―サムスンディスプレイ (SDC) もIT系OLED工場に投資しています。


Lee:2026年モデルのMacBook Proへの採用を視野に、G8.7工場 (A6) の投資を行った。2025年末に向けて試運転を開始する計画だ。しかし、OLEDパネルが高価格なため、普及が当初の見通しよりも緩やかに進んでおり、SDCもキャパの半数 (7.5K) をスマホ向けに転換しようとしている。A6工場では、酸化物半導体+タンデム構造のOLEDパネルを手がけるなど技術力の向上が図られているが、その分高価格になるため、当面は酸化物半導体からLTPS/LTPOに変え、スマホ向けを作ることでキャパをカバーしていくことになりそうだ。

―タブレット、ノートPC、モニターでのOLEDの普及拡大はもう少し時間がかかりそうですね。

Lee:モニターやiPad Proなどは売れ筋だが、今後はアップル以外のブランド・セットメーカーがどの程度追随していくかにかかってくるだろう。もう1-2年は様子を見る必要があるが、当面は生産性の向上により歩留まりを上げ、パネル価格を下げることに注力することになるとみている。

―COE (Color Filter on Encapsulation) 技術については。


Lee:SDCは、2026年モデルのGalaxy S26 UltraにCOEを搭載する。加えて、横から見えないようにするプライバシーモードも新しく追加する計画だ。現状、このプライバシーモードはアフターマーケットで展開されるフィルムの機能だが、これをCOEとともにパネル内に形成するという新しい技術だ。マスク数が増え、2027年以降は搭載モデルも増える見通しのため、フォトリソ関連の装置の発注が増えそうだ。詳細は講演でお話していく。

―フォルダブルについては。

Lee:アップルが2026年にフォルダブルスマホを上市する計画で、27年に延期されるとの話もあるが、現状は順調に進んでいる。フォルダブルで先行する中国メーカーのモデルや、Galaxy Z Foldとは異なる構造になるようで、折り曲げ部分におけるシワの課題についてアップルなりの解を出しており、これまでにない構造で回避していくようだ。このあたりも講演にて紹介していくので楽しみにしていただきたい。


(聞き手: 電子デバイス産業新聞 澤登美英子記者)

※前回 (2025年4月) のセミナー会場光景
[併設企画のご案内] カウンターポイントTechセミナー 2025

11月19日 (水) 午前中の「FPD産業分析セミナー 2025年後期版」の終了後、同日午後からは、今テクノロジー産業で最も注目されるキーワードをピックアップした新企画「カウンターポイントTechセミナー 2025」を国内初開催します。

その副題を「日本のTech産業が切り拓く、AIと貿易戦争の航路」と定めて、カウンターポイントリサーチ日本支社長・田村喜男による「貿易戦争下における世界経済とTech産業」ではトランプ関税がエレクトロニクス産業に与える影響を解説するほか、「スマートオートモーティブ」、「半導体業界の成長とAIにおけるメモリ」、「ファウンドリー2.0と半導体業界における成長」、「新しいAIエコシステムを理解する」、「スマートフォン&XR最前線」といった注目テーマの講演、さらには「パネルデュスカッション~貿易戦争×AI時代と対峙する日本Tech産業」をご提供します。

日本、米国、韓国、台湾で活躍する各分野の専門アナリストが登壇し、グローバル調査会社であるカウンターポイントリサーチの幅広い知見を披露、多面的な視点からエレクトロニクス産業全般の現在・未来を展望します。セミナー終了後には懇親会も開催、各産業の専門家たちとの意見交換にお役立てできると嬉しい限りです。ご参加を心からお待ちしています。


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