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FOR IMMEDIATE RELEASE: 06/17/2022


2023年のFPD製造装置の需要見通しを下方修正
DSCC アジア代表・田村喜男

DSCC Japan (東京) -

第52回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

DSCCはこのほど、Quarterly Display Capex and Equipment Market Share Report (一部実データ付きサンプルをお送りします) の最新号において、2023年のFPD製造装置の需要見通し (インストールベース) を下方修正した。OLED向けが約35億ドル、LCD向けが約30億ドルの計65億ドルにとどまる見込みだ。ただし2024年には回復し、122億ドルと健全なレベルにまで戻るとみている。

Source: DSCC’s Quarterly Display Capex and Equipment Market Share Report (一部実データ付きサンプルをお送りします)

装置需要がスローダウンする最大の要因は、FPD市況の悪化だ。コロナ禍で盛り上がった巣ごもり需要が2021年後半から徐々に終焉を迎え、欧米におけるテレビの需要は従来の水準に戻ってきた。パソコン、タブレット製品の需要もピークアウト。特に中国は市況が悪く、なかでもスマートフォンの在庫過剰が目立っている。

まだ影響の度合いをすべて見通すことは難しいが、ロシア/ウクライナ情勢や中国ゼロコロナ政策に伴うロックダウンの影響、そして世界的な消費者物価の上昇も、今後の需要を押し下げる。5月はテレビ用、パソコン用ともにLCDパネルの価格が再び大きく下がった。複数のテレビサイズではキャッシュコストを割り込んでおり、パネル各社は稼働調整することをにわかに計画し始め、6月には複数社で相当な稼働調整を実施している。

こうした状況から、当社は2022年のパネル需要について、テレビ用は出荷面積こそ前年比で増えるが、数量は2021年同様の-3%と予測。IT用も数量ベースで7%減になるとみて、出荷予想を下方修正した。今後さらなる下方修正も懸念される。

1-3月期は平均5%前後の営業利益率を維持したパネル各社だが、4-6月期は損益イーブンになり、営業赤字に転じる企業も出てきそうだ。需要の好転は2023年上期まで待たねばならない公算が大きくなっており、収益環境の悪化が投資計画のスローダウンにつながる。

主な投資案件としては、BOEが武漢で計画していたG10.5LCD工場の新設計画を先送りしたほか、Samsung Display (SDC) におけるQD-OLEDの増産投資や、HKCのH2増設計画も、2023年の案件からは除外せざるを得なくなった。CSOTのG8.5インクジェットOLEDへの投資は2024年前半にスライドされ、SDCの韓国A4ラインにおけるフレキシブルOLEDの増強も先送りされる。

一方で、SDCのG8.5 RGB-OLED、BOEのG8.7 RGB-OLEDへの投資やTianmaのG8.5LCD工場が新設されることが決まるなど、投資計画がより具体化している案件も一部ある。

需給のバランス化には時間を要しそうであり、既存ラインのシャットダウンや稼働休止が具体化する可能性がある。SDCは韓国のG8.5ラインを予定通り2022年上期中に休止するが、まだ稼働継続中のLGDがP7や中国LCD工場での生産を2023年から24年にかけて相当縮小することになるかもしれない。

※本記事は、電子デバイス産業新聞の連載記事 (6月号) を基に、6月17日に田村が一部改訂したものです。

本記事の出典調査レポート
Quarterly Display Capex and Equipment Market Share Report

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