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FOR IMMEDIATE RELEASE: 07/01/2025


過渡期を迎えたフォルダブル
日本支社長 兼 グローバルVPアナリスト 田村喜男

Counterpoint Research FPD部門 (東京) -

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第89回 Counterpoint Research 田村喜男のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

これまで右肩上がりの成長を続けてきたフォルダブルスマートフォンが伸び悩んでいる。当社の予測によると、フォルダブルスマホ用有機ELパネルの出荷枚数は、2024年の2300万枚から、25年は2130万枚に減少する見込み。ただ、Appleが予測どおり2026年にフォルダブルiPhoneを投入すれば、再び成長軌道に乗る見通しだ。

フォルダブルスマホは、これまでSamsungのGalaxy Z FoldやGalaxy Z Flipを中心に、HuaweiやHonor、Motorolaらがラインアップを順次拡大して市場を創出してきた。だが、当初の期待ほど市場は伸びていない。その背景には、繰り返し購入するリピーターがまだ少ない、という問題がある。

折りたたむため、どうしても本体が厚くなり、重量もある。仮に、ヒンジ部分のパネルにしわが入るといった不具合が出た場合はパネル交換や製品そのものの交換などに応じているメーカーは少なくないが、メーカーにとってもコストや手間がかかり、利益貢献は決して大きくないというのが現状である。

こうした問題を解決するため、スマホ各社は「薄く軽い」を前面に押し出したパネルを搭載し、てこ入れを図っている。Samsungが近日発表予定のZ Fold 7はデジタイザーを無くすといった変更でパネルモジュールの厚みを前モデルの860μmから600μmへ薄くする。こうした改良により、端末の厚みは折りたたんだ状態で9㎜ (前モデルは12㎜) になる見通しだ。

また、Z Flip 7にはFlipシリーズとして初めてCOE (Color Filter on Encapsulation) を採用して偏光板レスとし、モジュール厚を前モデルの600μmから500μmへ薄型化する。UTG (Ultra Thin Glass) は前モデルの35μmか50μmに厚くなるが、同様に端末自体は薄くなるとみられる。

だが、フォルダブルスマホが過渡期から脱する最大のイベントになりそうなのが、発売20周年を間もなく迎えるiPhoneでのフォルダブルモデルの登場だ。2026年に7.6インチで発売されるのではと噂されており、Samsung Display (SDC) がパネルを全面供給すると目されている。端末価格は2500ドル程度と想定されており、決して安くはないが、どのような新機能が搭載されるのかにも注目が集まる。

当社では現状で、フォルダブルiPhone向け有機ELパネルの出荷枚数を2026年800万枚、27年900万枚、28年1100万枚と想定している。また、これとは別に、Appleは2028年に18.8インチのフォルダブルiPadを市場投入する可能性もあり、これらが予想どおり進めば、フォルダブル市場は再び成長軌道に戻ることになるだろう。

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