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FOR IMMEDIATE RELEASE: 06/05/2023


SIDで見た次世代FPD
DSCC アジア代表・田村喜男

DSCC Japan (東京) -

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第63回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

5月23~25日に米ロサンゼルスで開催されたSID(※正式名称 Display Week 2023)に4年ぶりに参加した。想像していた以上にブース出展、参加人数ともに盛況で、当社CEOのロス・ヤングが務めたキーノートスピーチには2000名様ほどが集まった。

半導体業界では米中の対立が先鋭化しているが、ディスプレー業界では以前にも増して中国企業の巨大な展示が目を引いた。ウォルマートブランドのテレビは中国のチャンホンらがOEM供給していることなどに見るとおり、ディスプレー分野における米中の結びつきは依然として強い。

展示ブースでは、特等席に陣取ったBOEがCOG LTPSで163インチを実現したマイクロLEDを展示して大きな注目を集めた。実装ピッチは0.9mm。また、G8液晶工場の稼働を控える天馬微電子もスマートフォンに加えて産業用からIT用、車載用まで幅広いラインアップを展示し、脱スマホを進める戦略を明確に示した。

有機ELに関しては、IT用の提案が目立った。フォルダブル、ローラブル、スライダブルの展示が複数あったなかで、韓国・中国の各社は17インチ級のフォルダブルを取り揃えた。すでにASUSが17.3インチのフォルダブルを搭載した「Zenbook」を発売済みで、HPも商品化を予定しているとされ、今後の中心サイズになっていきそうだ。

また、トレンドとして高速駆動に関する展示も数多く見られた。ゲーミング用モニターやノートPC向けに倍速以上(480Hz以上)を実現したもので、すでにASUSやDellが500Hz対応を発表済みだが、600Hzをうたう提案も出ており、さらに高速化が進んでいる。

ジャパンディスプレイとHKCの提携で注目を集めているFMMレス(リソグラフィーベース)の有機EL製造技術だが、ビジョノックスも同様の技術「ViP」(Visionox intelligent Pixelization)を開発中だ。FMM方式に比べて、開口率を29%から69%に、画素密度を1700ppiまで、デバイス寿命を6倍に、輝度を4倍にそれぞれ高めることができると説明した。

また、JOLEDの破綻や東京エレクトロンの開発中止で今後が懸念されるインクジェット技術だが、CSOTが試作パネルを展示していた。量産投資は凍結中だが、研究開発は継続する見通しだ。

AR/VR向けマイクロLED(LEDoS)では、中国JBDが0.13インチのRGBパネルを組み合わせたポリクロームプロジェクター、台湾プレイナイトライドが4536ppiの0.46インチ、英ポロテックが1280×720画素の0.26インチ、中国レイソルブが7200ppiの0.11インチなどを展示するなど活況だった。

加えて、ミニLEDでは12インチ級のCOGディスプレーを天馬微電子が展示するなど、直視型ディスプレーへの展開を図る動きも見受けられた。

(DSCCアジア代表 田村喜男)

※本記事中の企業名・用語などは電子デバイス産業新聞様の掲載基準に沿っています(大文字表記など)。


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