国内お問い合わせ窓口
info@displaysupplychain.co.jp

FOR IMMEDIATE RELEASE: 04/04/2023


FPD設備投資と先端技術動向
ディレクター Jayden Lee

DSCC Korea (Seoul) -


DSCCは、4月11日(火)に「DSCC Japanセミナー 2023年前期版」を東京コンファレンスセンター・品川 5階ホールで開催する。同セミナーでFPD設備投資と先端技術動向について講演するJayden Lee氏(DSCC韓国支社)に、23年の注目動向などを伺った。

 ―22年はFPD業界にとって「試練の年」となりました。23年はどのように見ていらっしゃいますか。

 Lee 23年は「カオス(混沌)」の年であると、現状は見ています。22年のテレビ市場は、前年比で7%のダウン(数量ベース)となりました。23年もほぼ変わらず、22年比+1%程度になると見ています。

 しかし先般、中国パネルメーカーがLCDパネルの価格を上げると宣言しました。これにより、パネルメーカーの業績は改善し、稼働率も上がり、材料や部材メーカーもその影響を受けることで業界は活性化するでしょう。一方で、セットメーカーはパネル価格上昇分を吸収するか、セット価格を上げねばなりませんが、これはどうなるかまだ分かりません。中国の「618商戦」(6月18日の商戦)でどのくらいTVが売れるかが、一つの指標になると見ています。

 ―TVの買い替えを喚起するには、まだ不安定な要素が多いようですね。

 Lee とはいえ、投資の動きが無いわけではありません。SDCはプレミアムTVのQDOLEDへの既存ラインでの増強投資を進めます。現状の36Kのキャパを23年末までに41Kへ、24年末までに45Kへと、少しずつではあるものの増強する計画です。また、Samsung TVがLGDのWOLEDパネルを購入するという交渉が再開しており、勢いのある中国パネルメーカーへの対抗策として、プレミアムTV市場を盛り上げるために、今後この交渉は進むかもしれません。このあたりも混沌としている、と見る所以です。

 ―そのような中、動きが活発化している分野もありますね。

 Lee IT系パネルでは、OLED化の波が来ています。アップルが、24年のiPad Pro2機種(11.1型、12.9型)でOLEDを採用します。LGDでは、AP5 第6世代ラインの15Kのセットアップを終え、現在開発・試作中、24年1月から本格出荷開始する計画です。SDCも、従来のA3ラインでPro向けを量産します。またこれらは、ガラス基板+薄膜封止(TFE)の1枚ガラスによる、ハイブリッドOLEDになります。ガラス基板+ガラス封止の2枚ガラスによるリジッドタイプよりも薄く、軽くなることが特徴です。

 これまでも、リジッドOLEDがノートPCやタブレットに採用されてきましたが、アップルが本格化し、市場のゲームチェンジャーとなることから、ハイブリッドOLEDを採用するタブレットやノートPCが、少しずつ伸びていくと見ています。

 ―G8.7工場でもITパネルの投資が進められていますね。

 Lee SDC、LGD、BOEで投資計画をすすめていますが、現在確定しているのはSDCだけです。アップルのMacBookPro向けに量産する計画です。

SDCはA5―1ラインで15Kの投資を進めており、4月初旬には正式な発表があると見ています。24年に装置導入、25年に開発・試作と生産立ち上げ、26年上期にアップルで製品化予定ですが、量産時期はアップル次第ではあります。LGDの投資決定の詳細は6月ごろには固まりそうです。BOEは投資の決定をアナウンスしていますが、韓国2社に比べて技術的なキャッチアップが必要であり、MacBookPro向けを手がけるかはまだ確定していません。このあたりの動向も、混沌としています。

 ―明確な動きはありつつも、どうなるかわからない、といった現状ですね。とはいえ、22年の試練を乗り越えて、徐々に霧が晴れていく様子がうかがえますね。このほか、セミナー当日はさらに詳細な韓国投資や技術動向、中国パネルメーカー動向などを講演される予定ですね。楽しみにしております。ありがとうございました。

(聞き手:電子デバイス産業新聞 澤登美英子記者)


About DSCC

https://www.displaysupplychain.co.jp/about

[一般のお客様:本記事の出典調査レポートのお引き合い]
上記「国内お問い合わせ窓口」にて承ります。会社名・部署名・お名前、および対象レポート名またはブログタイトルをお書き添えの上、メール送信をお願い申し上げます。和文概要資料、商品サンプル、国内販売価格を返信させていただきます。

[報道関係者様:本記事の日本語解説&データ入手のご要望]
上記「国内お問い合わせ窓口」にて承ります。媒体名・お名前・ご要望内容、および必要回答日時をお書き添えの上、メール送信をお願い申し上げます。記者様の締切時刻までに、国内アナリストが最大限・迅速にサポートさせていただきます。