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FOR IMMEDIATE RELEASE: 02/07/2022


出荷1000万枚狙うTV用OLEDパネル
DSCC アジア代表・田村喜男

DSCC Japan (東京) -

第48回 DSCC田村のFPD直球解説 (電子デバイス産業新聞)

CES2022でSamsung Display (SDC) がTV用OLEDディスプレイ「QD-OLED」を披露し、さっそくSonyが65インチTVへの採用を決めた。LG Display (LGD) の「WOLED」一択だったところにQD-OLEDが加わることで、2022年のTV用OLEDパネルの出荷枚数は前年比36%増の1030万台に増加すると予測している。

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1030万枚のうち950万枚を占めるWOLEDは、Samsung Visual Display (Samsung VD) への供給交渉が早期にまとまるかが焦点となる。高輝度の新型パネルを供給したいLGDに対し、現行輝度のパネルでかつ77/83インチといった大型を増量要求するSamsung VDの思惑が、まだ一致していない。4-6月期にパネル量産開始できれば年間150万枚を購入するものと予想しているが、合意に時間がかかれば購買量はこれを下回るだろう。

QD-OLEDとWOLED、2種類のOLED TVを商品化するSamsung VDが、ブランドをどう展開するかも大きな注目点だ。両パネルを同等に扱うようなブランド展開やネーミングをしないと交渉はまとまらないだろう。

とはいえ、LGDにとってSamsung VDは「WOLEDの救世主」とも呼べる相手だ。WOLEDを採用するTVブランドは近年増えておらず、頼みの中国ブランドも調達量を増やしていないからだ。Samsung VDとの交渉がまとまれば、中国ブランドの調達意欲を再び刺激する可能性もあるため、是が非でも交渉をまとめたいはずだ。

交渉の行方は、LGDの次期増産計画にも大きく影響する。さらなる増産には、韓国のTV用LCD工場P7/P8あるいは中国広州のG8.5LCD工場をWOLED工場に衣替えする可能性が高い。Samsung VDにはTV用LCDパネルも供給するため、少なくとも2022年はP7/P8を休止しない方針だが、LCDの価格動向によっては2023年にも衣替えを具体化するのではないか。

2022年のQD-OLEDパネル出荷枚数は、Samsung VD向け65万枚、Sony向け15万枚の計80万枚と予測している。G8.5で月産3万枚の韓国Q1ラインしかないためキャパが限られるが、SDCはIT用RGB OLEDの増産投資を企図しているため、QD-OLEDはラインの改造や生産性の改善 (マスク枚数の低減など) で生産量を増やしていくことを検討しているようだ。

CSOTは、JOLEDとの提携によってインクジェット印刷技術を用いたTV用OLEDの量産を目指している。オール印刷か、蒸着とのハイブリッドか、製造プロセスを試行錯誤しており、早ければ年内にも方針を固める。これが決まれば、2022年末に装置発注、23年末から搬入、24年後半から量産という流れになる。よって、商品化につながるのは最速で2025年になるものと想定している。


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