第4回DSCC JAPANセミナー:チャイナライジング~岐路に立つFPD市場

チャイナライジング~岐路に立つFPD市場

各講演概要

『モバイル用有機EL市場と投資動向』

講演者: DSCC アジア代表 ​田村喜男

2019年の世界スマートフォン市場は、2年連続のマイナス成長が見込まれるが、2020年以降は5G化などにより+成長への転換が期待される。そして、5Gモデルはバッテリースペースが大きくなるため、軽薄なフレキシブルOLED需要を喚起することにもつながる。 2019年のスマートフォン用OLED前年比成長率としては、フレキシブルがわずか3%増にとどまるが、リジッドが17%増と3年ぶりの増加に転じる。2019年のOLED市場のポイントは、製品価格の低下と指紋認証センサー搭載によりリジッド需要が増加したことであると言える。そして、フォルダブル市場の立ち上がりが遅れたことも挙げられる。 2020年のスマートフォン用OLED需要は、6億2,500万枚(2019年は4億8,700万枚)の前年比28%増を見込む。iPhone 2020モデルにおけるOLED 3モデル採用に基づき、フレキシブルが前年比1億枚の増加により2億7,000万枚、リジッドも前年比10%増を見込む。フォルダブル製品化の成功・需要増加も2020年のキーポイントとなる。


『中国モバイル用AMOLEDのトレンドと戦略』

講演者: DSCC 中国アナリスト Rita Li

2019年は中国のOLEDパネルメーカーにとって厳しい年であるが、OLEDへの投資意欲に大きな変化はないであろう。中国のトップスマートフォンブランドHuaweiは米中貿易戦争の影響下においても、HIAA (Hole in Active Area, カメラのためのパンチホール)などの新技術採用により需要喚起を続けている。 5G化は2020年の中国OLEDスマートフォン需要増加の救世主となるのか、また中国OLED メーカーは積極的な設備投資を展開しつつも予測される供給過剰にどのように対応していくのかなど以下のポイントに沿って解説を行う。

  • 2019年中国OLEDメーカーの実績
  • フォルダブルの位置づけ
  • 技術トレンド別ロードマップ
  • 中国OLEDメーカーの戦略と課題
  • 中国モバイル用OLEDの需給バランス

『韓国ディスプレイ事業の再編とFPD製造装置市場』

講演者: DSCC 韓国アナリスト Jayden Lee

勢いを増す「チャイナライジング」の影響を受け、韓国LCD業界ではダウンサイジングの第2ステージが始まった。これにより、韓国FPDメーカーでは「LCD TVパネル事業のFPD事業の選択と集中」を決断しなければならない状況となっている。FPD生産ラインの運用を主とした中・長期戦略の策定が火急の課題となっている。業界全てが注目するこのような韓国FPD事業の再編シナリオに関して、生産ラインの現状と今後の方向性について解説する。また、QD-OLEDやインクジェットOLED、デジタル露光機などの先端技術動向についても言及する。また 世界のOLED/LCD製造装置市場に関しても、詳細な工程別、装置別、メーカー別データを披露する。

『米中貿易戦争と5G化がスマートフォン市場へ及ぼす影響』

講演者: Counterpoint Technology Market Research リサーチディレクター テレコム業界担当

Tom Kang

  • 米中貿易戦争とファーウェイショックの影響
  • 5Gの普及は4Gより急速に進むのか?
  • ファーウェイに続く中国スマートフォンOEMメーカーは?
  • 消費者の望むスマホ機能とフォームファクター(フォルダブル含む)
  • スマホ内蔵カメラの進化
  • 広がるコネクテッドな世界 - 用途別IoT予測(コネクテッドカー、ヒアラブル・マイクロ モビリティなどの新しい民生機器)


『SID’19を踏まえた先端新技術の開発状況』

講演者: サークルクロスコーポレーション フェローアナリスト 小野 記久雄

現在、全FPD市場でデバイス技術の主役交代を巡るバトルが発生している。新技術の中で、5G時代に備えるフォルダブルOLED、将来進化が予想されるMicro LED技術をSID19及び特許情報を駆使し徹底解明する。

  • ディスプレイ市場の戦国絵巻
  • ~全FPD市場でのデバイス技術主役交代へ向けてのバトルを報告~
  • 5G時代に対応するフォルダブルOLED
  • 5Gのもたらす未来とフォルダブルスマートフォン仕様
  • フォルダブルフィルムカバー技術(Galaxy Fold技術の解明)
  • 衝撃性を改善しスクラッチブルを目指すOLED構造
  • Micro LEDの築く新コンセプトディスプレイの未来 (SID19からの展開)


『世界のフォルダブルディスプレイ技術と市場展望』

講演者: DSCC 韓国アナリスト Calvin Lee

近年のスマートフォンディスプレイ市場でのフレキシブルディスプレイの供給過剰を緩和する重要技術として期待される「次の一手」として、フォルダブルディスプレイが注目されている。 当講演ではフォルダブルディスプレイの技術課題及びソリューション、パネル構造などについて説明し、2019-2020年のフォルダブルディスプレイロードマップ(各パネルメーカー、及び各セットメーカー別リリース予定・検討中の最新製品)をフォルディングタイプやカバーウィンドウ仕様なども交えて解説、今後のフォルダブル市場を展望する。

  • ディスプレイ市場の近年の変化
  • フォルダブル ディスプレイの技術課題及びソリューション
  • 2019-2020年のフォルダブル製品ロードマップ(スマートフォン/ITブラン ド別仕様性能)
  • DSCCのフォルダブル市場最新予測


『TV用有機EL/LCD市場と需給動向』

講演者: DSCC アジア代表 ​田村喜男

OLED TVパネル市場は、韓国LGDの独占市場であり、多くの参入メーカーが存在するモバイル用OLED市場とは相反する状況となっている。WOLEDパネルは2018年後半から収益改善し、2019年以降の設備投資が活発になってきた。そして、Samsung DisplayがQD-OLEDを立ち上げようと、第8.5世代LCDラインのQD-OLEDへの転換を計画している。WOLED, 8K LCD, QD-OLED、ローラブルOLEDの先端ディスプレイが、ハイエンドTV需要を喚起していくことが期待される。中国パネルメーカーが第10.5世代LCDライン投資に注力している状況下において、韓国パネルメーカーはLCDの増産投資をせずにOLED増産に向かっている。まずは、WOLEDとQD-OLED需要が拡大していくことを期待したい。複数の第10.5世代LCDラインがフル稼働する2021年以降に、中国パネルメーカーの投資がOLED TVパネルに転換していく方向になるであろう。 以上、OLED TVを軸にLCDTV用パネルも交えてTV用パネル市場の今後を展望する。