IT向けにも展開するQuantum Dot(QD)ディスプレイ動向

Published 5月 11, 2020

QDを利用したディスプレイとしてはSamsungなどからQDEF(SamsungはQLEDと呼称)ディスプレイとして、TV用に量産化されてきた。

2020年には、モニター、ノートPC用に実用化されてきている。SamsungはQLED搭載の2in1PCのGalaxy Book Flex(13.3”、15.6”)を米国で5月4日から発売開始。両機種とも解像度はFHD。QLEDを採用したことで、最大輝度は約600nitとApple のMacBookの500nitをも上回る明るいディスプレイ。価格は13.3”が$1,350、15.6”が$1,400。

QDEFとはQuantum Dot Enhancement Filmの略称で青色LEDの光をQDに照射し、「緑」と「赤」の光に変換(「青」はそのまま)してバックライトとして用いるものである。

QDEFディスプレイの特長は①輝度が高い(同じ輝度なら、消費電力が低い)、②色再現範囲が広い(BT.2020規格の90%をカバー)などが挙げられる。一方で、①QDの材料にCd(カドミウム)を含むものが使われる場合がある、②輝度が高くなるのでコントラスト比も高くなるが必ずしも十分ではない、③色純度や色再現範囲も改善はするものの限定的であると言うような課題がある。 そこで、Cd FreeのQD材料を開発したり、QDの直径のばらつきを抑え、色純度や色再現範囲を改善するような開発が進められている。

 量産中のQDEF第1世代に続き、QDCC(QD Color Conversion)やQDEL(QD Electroluminescence)などの第2世代や第3世代の技術開発も進められてきており、目が離せない状況である。

QDEFディスプレイの模式図 (出所: Nanosys)
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Written by

Hiroshi Tsutsu

tsutsu@displaysupplychain.com